大宅 健司さん
28年前、転職を機に熊本へ転居してきました。阿蘇に職場があることから、毎日阿蘇の自然を目に出来る幸せな生活をしています。
私のボランティアデビューは14年前、女房が見つけた初心者研修会の小さな新聞記事が始まりでした。研修を受け初めて参加した野焼きが、私の心に強く焼付き長く続いているのだと思います。
ある牧野での出来事です。私が付いた火引きさんは、「大丈夫?」と心配したくなるようなご老人、少し腰が曲がり木の枝を杖代わりに歩いている人でした。野焼きが始まり、その老人の後ろから追付こうとするのですが、平地を歩くかのような健脚に、1時間もしないうちに息が上がりゼイゼイ言いながら付いて行くことが精一杯の自分がいました。体力の無さと運動不足を恥かしく思うと共に、野焼きに携わる人々へ一種の尊敬の念を持った野焼きでした。
震災で大きく傷付いた阿蘇の山々や外輪山を見ると、少し悲しい気持ちになってしまいますが、雄大な阿蘇の長い歴史の中では極小さな出来事なのでしょう。まだまだ時間は掛るかも知れませんが、素晴らしい原野と山々の姿に戻ってくれると信じています。
私、平日は仕事があり週末だけの活動参加ですので、思うほどの活動ができません。また、野焼きや輪地切りに参加するたびに体力不足を痛感していますが、参加する活動が微力ながら阿蘇の草原再生維持の手助けになればと思っています。『阿蘇の自然に感謝!』
(草原だより 74号より)