木村 豊さん

 目に見えるもの、見えないもの全てが少しづつ変化しています。拙宅から、今朝も金峰山や小萩山、荒尾山などが鮮やかに見えます。山や野原は、いつの間にか緑一色となり、多様な色合いを魅せる季節となりました。このような美しい景観は、阿蘇に出掛ければ、一段と迫力のあるものになります。

 阿蘇の美しさは、山岳と同時に草原があるから、ということが理解できたのは小学生の時です。草原が野焼きで維持されていることは、学校の教材で教わった記憶があります。会社勤めの時は阿蘇から遠ざかっていましたが、自分の時間が少しコントロールできるようになってから、好きな山歩きを友人たちと再開し、根子岳や中岳など、沢山の山を楽しみました。山歩きに熱中してから数年経過したのち、自分だけこのような大自然を満喫するだけでよいのか、という自責の念にかられるようになり、会社で一年先輩だった山下勝さんから話しを聞いたのが、野焼ボランティアのきっかけです。

 自然は普段は静かで美しいですが、時には人間では対応できない側面もあります。ボランテイァの皆さん、野焼きや輪地切り作業には絶えず危険が伴っていることを常に自覚しながら、大草原を維持して行きましょう!

(草原だより 64号より)