上野 聡さん

 定年退職を間近に控えた2016年1月、RKKテレビの情報番組「ウェルカム」で黄色ヘルメットとブルーの作業服姿の方々が目に留まった。震える手で原稿を読みながら、初心者研修会の募集をされたのが心に残り、その日のうちに申し込んだ。

 10日後に初心者研修を受講し、1ヶ月後に下磧牧野で野焼きデビュー。「最初は勝手がわからなかったが、初心者ということでいろいろ教えてもらった。火の勢いに圧倒され、煙で目が痛くなったが、ワクワクすることも多かった」と記録している。退職前の最後の授業で、高1の生徒たちに野焼きと草原再生の話をした。今思えば、もっと早くからボランティアに参加して授業で野焼きの話をたくさんしておけばよかった。

 火が放たれ、茶色の草原があっという間に黒く変わっていく姿にはいつも感動する。米塚の野焼きが一番の思い出。輪地切りは体力的に大変だが、終わったときの充実感は野焼きでは味わえない。

 2018年にリーダーを引き受けたが、元来の消極的な性格で、思うように参加できていない。リーダー紹介の機会を与えていただいのをきっかけに初心者だった時の気持ちを思い出し、ボランティア活動に積極的に参加していきたい。

(草原だより 94号より)