福島 義信さん

 アメリカ先住民の言い伝え「この景色は、未来の子供たちからの預かりもの」が私のお気に入りの言葉です。

 熊本市出身の私は、小学生時、キャンプに、バス旅行に、わらび狩りにと度々阿蘇を訪れ、自然の風景をごく当たり前として眺めてました。

 そして子育ても一段落した平成27年正月、以前から興味があった「野焼き」のボランティア募集を知り、その年にオープンした真新しい「草原学習館」で研修を受け、私の野焼き支援ボランティアが始まり、更に令和2年からリーダーを務めさせていただいています。

 阿蘇は、熊本人にとって自慢の地であり、活動する中で、阿蘇の歴史やそこに暮らす人々と草原が共生していることを学び、益々阿蘇のすばらしさを知り、自慢は誇りとなりました。

一方、今見ている阿蘇の風景が「50数年前の小学生の私が見た風景と違うのか」と複雑な思いを感じるのも事実です。

 今、熊本県は阿蘇を自然遺産でなく「世界文化遺産」の登録を目指しています。

 熊本地震を体験し感じた「今出来ることを出来る人がやる」との思いを座標軸に、今後も、阿蘇草原の維持・再生のお手伝いを1日でも長く出来ればと思う日々です。

(草原だより 98号より)