阿蘇では農業形態や生活様式の変化により、草原の必要性が低下、また地域でも顔者高齢化がすすみ、草原管理の担い手不足も深刻化しています。そのため、阿蘇の草原は今、消滅の危機に直面しています。
減りゆく阿蘇の草原
阿蘇の草原は、毎年の野焼きや、牛の放牧、飼料のための採草により維持されています。この草原は一説には1万年以上前から阿蘇に存在したと言われており、阿蘇ならではの生態系が維持されてきました。しかし、時代の変化とともに近年面積が減少してきています。阿蘇の7市町村の草原面積は過去100年の間で半分以下になっているとされ、近年もその減少が続いています。その理由としては1950年代以降の耕運機の普及をはじめとした農機具の機械化により牛馬の必要性が低下したことや化学肥料の普及により緑肥の投入が不要になったこと、茅葺屋根の減少や牛肉の輸入自由化による放牧頭数の減少などが影響していると言われています。
後継者不足も深刻化
2016年の熊本県の調査において「10年以上野焼きなどの維持管理が継続可能」と答えた牧野のみが30年後も草原の維持が可能と仮定した場合、草原面積が今よりもさらに6割減少するという予測が考えられます。地元の方だけでなく、多くの人の力を借りながら、草原を将来にわたって維持していくことが求められています。
1,000 年以上続いてきた伝統も、いま存続の危機に瀕しています
「この先10 年以上野焼きを継続できる」と答えた牧野組合は全体の約1 /4 しかいません。このままだと阿蘇の草原はなくなってしまいます。阿蘇の草原を守り、伝えていくために、「阿蘇草原再生プロジェクト」は様々な活動を行っています。まずはあなたにできることから始めてみませんか?