【インタビュー】トレイルランナー 森本幸司さん

森本幸司さん(もりもとこうじ)

【Profile】
1980年生まれ、熊本県阿蘇市出身。学生時代から社会人まで長距離選手として活躍。2014年福岡国際マラソンでは自己ベストとなる2時間23分41秒を記録。その後トレイルランニングに転向し、国内外のレースで優勝。今では、世界選手権で日本代表にも選ばれ活躍している。仕事では株式会社Local Gainで、トレイルランニングやマラソンイベント等の企画を手掛けている。

自然への愛着、地域への感謝の思いがトレイルランニングには必要なんだ。

トレイルランニングの世界大会で日本代表として出場するなど国内外で活躍する森本選手に阿蘇の草原の魅力についてお話を聞きました。

Qまず、トレイルランニングの魅力を教えてください

 トレイルランニングは同じところを走ったとしても、その時々で景色が全く違うんです。その日の天気や気温、四季の移ろいなどによって本当に景色が変化します。そういった景色の中を自分の足で走り抜けていく爽快感はほかの競技にはない魅力だと思います。海外の大会にも出場しましたが、息をのむような桁違いの絶景をみると、疲れている気持ちを一瞬忘れそうになるというか、走る元気をもらえたような気持ちになるんです。阿蘇でも高岳の登山道や砂千里なんかは日本じゃないみたいなスケール感のある景色だし、世界にも自慢できる景色じゃないかと思うんです。

Q森本さんは阿蘇出身。そういう理由での愛着もあるのでしょうか?

 昔はあまり地元のことに関心がなかったんです。学生時代は陸上競技に打ち込んでいました。なかなか陸上競技で結果が出ない中で、高校3年生のときに国体山岳競技に初出場し優勝できました。今でいうトレイルランニングに近いものですが、その当時はそんな言葉はなかったんです。嬉しかった半面、陸上競技では結果が出ないことにすこし負い目も感じていました。就職してから自分で練習するようになってマラソンや駅伝など陸上競技に専念していましたし、結果も出るようになってきたんです。トレイルランニングがだんだんと世の中に認知されてきた2014年から再び山を走ってみようと思いレースに出てみると結果も出で、それからトレイルランニングの選手として競技を続けています。

 競技をして様々な日本の地域や時には世界のコースを走る中で、実は地元のカルデラや草原がものすごい貴重なものだと気づきました。それから、ご縁もあり阿蘇で仕事をする中で、この阿蘇の魅力をトレイルランニングを通じてどう伝えるかということも自分の人生のテーマの一つになっている気がします。

Q阿蘇の魅力をトレイルランニングで伝えるとはどのようなことでしょうか?

 スポーツコンテンツを通じて自然を知ってもらうきっかけになればいいと思う。もちろんスポーツコンテンツ以外にもいろんな入り口があればいいし、その中で自分ができることは選手の目線だけでなく、運営側の目線も持ちながらうまく選手や地域に受け入れられる大会を作っていくことだと思っています。あとは大会を通じて地域のことを知ってもらう、特に阿蘇の草原の成り立ちを知ってもらうのは大事なことだと思っています。草原を毎年人が管理をしているって、大会の参加者でも知らない人がいるんです。そういう人に少しでもこの草原は地元の人が守ってきたものなんですって伝えれたら幸せだなと思います。今では大会の参加者が野焼き支援ボランティアに参加するということも増えてきて、阿蘇にトレイルランニングがあることが草原の保全につながっていくような未来もいずれ作れるんじゃないかと。トレイルランナーは自然環境や地域への愛着が高い人が多いので興味持ってもらことが大事なので、これからも、阿蘇の良さを仲間に伝えていけたらと思います。

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